パフォーマンスの観測
パフォーマンスの観測
1. 機能概要
本製品は、システムのパフォーマンスを定常的に観測する仕組みを提供します。
機能概要を以下に示します。
本製品では、以下の3種類のデータを定常的に観測します。
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リソースの使用量: CPU, メモリの使用量
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トラフィック量 : 通信ポートの帯域使用量 (送受信)
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消費電力量 : リンク速度、PoE給電量、FAN回転数から推測した消費電力量
観測した結果をもとに、以下の変動データを 製品内部に 1年分蓄積します。
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時間変動 : 時刻ごと(e.g. 0:00, 1:00, …)の変化
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日変動 : 何月何日ごと(e.g. 1/1, 1/2, …)の変化
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曜日変動 : 曜日ごと(e.g. SUN, MON, …)の変化
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月変動 : 月ごと(e.g. Jan, Feb, …)の変化
蓄積したデータは、 SDカードにバックアップすることが可能です。
保守者は 本製品に Web GUI アクセスすることで、ライブデータを含めた各変動データをダッシュボードに表示、また、蓄積した結果を PCに取得することも可能です。
取得したデータは CSV フォーマット であるため、PCの表計算ソフトで加工することも可能です。
保守者は、本機能を使うことで以下のように活用することができます。
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短期的な通信状況を把握する
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長期的なネットワーク設備の需要を予測する
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現状の消費電力量を把握することで、無駄な電力消費の発生に気づく
2. 用語の定義
特になし
3. 機能詳細
3.1. リソース・トラフィック使用量の観測
本装置は、起動直後から自動で 毎秒、CPU・メモリ、ポート毎の送信・受信スループットを観測します。
観測データは、 移動平均処理でノーマライズしたものを採用 し、 1年分のデータを RAM に保存 します。
3.2. 観測データのバックアップ
観測データのバックアップは、Web GUI でのみ設定することができます。
観測データのバックアップは、本装置に SDカードが挿入されていることが前提 となっています。
バックアップが有効に設定されていると、有効時点から毎時(e.g. 1:00, 2:00 …) 直近1時間の観測データをSDカードに保存します。
保存したデータは、本装置専用のバイナリデータとなっています。
SDカードの保存先、バックアップデータのファイル名について、以下に示します。
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リソース情報
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時間変動データ
/[機種名]/data/resource/YYYYMM_smsys_res_monitor_hour.bin -
日変動データ (日毎のデータ)
/[機種名]/data/resource/YYYYMM_smsys_res_monitor_day.bin -
曜日変動データ
/[機種名]/data/resource/YYYYMM_smsys_res_monitor_week.bin -
月変動データ
/[機種名]/data/resource/YYYY_smsys_res_monitor_month.bin
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トラフィック情報
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時間変動データ
/[機種名]/data/trf/YYYYMM_trf_bandwidth_hour.bin -
日変動データ
/[機種名]/data/trf/YYYYMM_trf_bandwidth_day.bin -
曜日変動データ
/[機種名]/data/trf/YYYYMM_trf_bandwidth_week.bin -
月変動データ
/[機種名]/data/trf/YYYY_trf_bandwidth_month.bin
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消費電力情報
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時間変動データ
/[機種名]/data/power/YYYYMM_smsys_pwr_monitor_hour.bin -
日変動データ
/[機種名]/data/power/YYYYMM_smsys_pwr_monitor_day.bin -
曜日変動データ
/[機種名]/data/power/YYYYMM_smsys_pwr_monitor_week.bin -
月変動データ
/[機種名]/data/power/YYYY_smsys_pwr_monitor_month.bin
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[機種名] には以下が設定されます。
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SWX2320-16MT の場合: swx2320
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SWX2322P-16M の場合: swx2322p
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SWX3220-16MT/16TMs の場合: swx3220
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SWX3200-28GT/52GT の場合: swx3200
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SWX3100-10G/18GT の場合: swx3100
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SWX2310P-10G/18G/28GT の場合: swx2310p
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SWX2310-10G/18GT/28GT/52GT の場合: swx2310
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YYYY: 西暦, MM: 月 が設定されます。
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ヤマハ独自フォーマットであるため、参照することはできません。
3.3. 観測データのエクスポートデータ
観測データのPCへのエクスポートは、Web GUI でのみ実行することができます。
エクスポートしたデータは、 複数の CSV ファイル が zip形式で圧縮されています。
圧縮ファイルの構成について、以下に示します。
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リソース観測データをエクスポートした場合
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zipファイル名: YYYYMMDDhhmmss_resource_csv.zip
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フォルダ構成
YYYYMMDDhhmmss_resource_csv +- 20170922_resource_hour.csv (1) +- : +- 20170925_resource_hour.csv (2) +- 201709_resource_day.csv (3)
1 2017/9/22のCPU・メモリ・時間変動データ 2 2017/9/25のCPU・メモリ・時間変動データ 3 2017/9のCPU・メモリ・日変動データ
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送信トラフィック観測データをエクスポートした場合
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zipファイル名: YYYYMMDDhhmmss_trf_tx_csv.zip
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フォルダ構成
YYYYMMDDhhmmss_trf_tx_csv +- 20170922_trf_tx_hour.csv (1) +- : +- 20170925_trf_tx_hour.csv (2) +- 201709_trf_tx_day.csv (3)
1 2017/9/22の送信トラフィック・時間変動データ 2 2017/9/25の送信トラフィック・時間変動データ 3 2017/9の送信トラフィック・日変動データ
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受信トラフィック観測データをエクスポートした場合
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zipファイル名: YYYYMMDDhhmmss_trf_rx_csv.zip
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フォルダ構成
YYYYMMDDhhmmss_trf_rx_csv +- 20170922_trf_rx_hour.csv (1) +- : +- 20170925_trf_rx_hour.csv (2) +- 201709_trf_rx_day.csv (3)
1 2017/9/22の受信トラフィック・時間変動データ 2 2017/9/25の受信トラフィック・時間変動データ 3 2017/9の受信トラフィック・日変動データ
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消費電力観測データをエクスポートした場合
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zipファイル名: YYYYMMDDhhmmss_pwr_csv.zip
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フォルダ構成
YYYYMMDDhhmmss_pwr_csv +- 20170922_pwr_hour.csv (1) +- : +- 20170925_pwr_hour.csv (2) +- 201709_pwr_day.csv (3)
1 2017/9/22の消費電力・時間変動データ 2 2017/9/25の消費電力・時間変動データ 3 2017/9の消費電力・日変動データ
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YYYYMMDDhhmmss には、エクスポートを実行した日時(ファイルを生成した日時)が設定される。
4. 関連コマンド
本機能は、コマンドでの設定に対応していません。
5. Web GUI による設定
パフォーマンスの観測は、Web GUI の 以下のページより制御することができます。
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リソース使用量の参照
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[ダッシュボード] の [リソース情報(グラフ)] で参照できます。
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トラフィック使用量の参照
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[ダッシュボード] の [トラフィック情報(グラフ)] で参照できます。
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消費電力量の参照
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[ダッシュボード] の [消費電力情報(グラフ)] で参照できます。
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観測データのバックアップ・クリア・エクスポート
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[管理] 選択後、 [保守] - [統計情報の管理] より設定できます。
(クリア・エクスポートは [ダッシュボード] の各ガジェットの メニューボタン ()から行うこともできます)
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各画面の参照・設定方法については、Web GUI のヘルプより参照することができます。
5.1. リソース使用量の参照
リソース情報(グラフ)の画面を以下に示します。
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リソース情報(グラフ) Live 選択時の例
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グラフの描画は、以下からボタンにて変更することができます。
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現在の状況: Live
現時点の各使用率を1秒おきに取得しグラフに表示します。 -
時間変動 : Day
指定した日にちの各使用率を1時間単位でグラフに表示します。
日にちの指定は、ガジェット右上の日付指定ボックスより行って下さい。 -
日変動 : Month
指定した月の各使用率を1日単位で表示します。
月の指定は、ガジェット右上の月指定ボックスより行って下さい。 -
月変動 : Year
指定した年の各使用率を1ヶ月単位に表示します。
年の指定はガジェット右上のセレクトボックスで行って下さい。 -
現在、曜日変動は参照することができません。
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CPU、メモリ使用率は、使用率が 80% を超えると、 ダッシュボード上に警告メッセージが表示されます。
80%を超えた後、80%を下回ると、警告が自動的に解除されます。
5.2. トラフィック使用量の参照
トラフィック使用量(グラフ)の画面を以下に示します。
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トラフィック使用量(グラフ) Day 選択時・ 受信トラフィック の例
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各ポートのトラフィック使用量を 送信 、 受信 別々に表示することができます。
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グラフの描画は、以下からボタンにて変更することができます。
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現在の状況: Live
現時点の各使用率を1秒おきに取得しグラフに表示します。
取得したデータは 直近 2分 のデータを保持し、グラフに描画します。 -
時間変動 : Day
指定した日にちの各使用率を1時間単位でグラフに表示します。
日にちの指定は、ガジェット右上の日付指定ボックスより行って下さい。 -
日変動 : Month
指定した月の各使用率を1日単位で表示します。
月の指定は、ガジェット右上の月指定ボックスより行って下さい。 -
月変動 : Year
指定した年の各使用率を1ヶ月単位に表示します。
年の指定はガジェット右上のセレクトボックスで行って下さい。 -
現在、曜日変動は参照することができません。
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描画するインターフェースは、 メニューボタン (
) で [インターフェースの選択] をクリック後、以下の画面で選択します。
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トラフィック使用率は、使用率が 60% を超えると、 ダッシュボード上に警告メッセージが表示されます。
60%を超えた後、50%を下回ると、警告が自動的に解除されます。
5.3. 消費電力量の参照
消費電力情報(グラフ)の画面を以下に示します。
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消費電力情報(グラフ) Live 選択時の例
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グラフの描画は、以下からボタンにて変更することができます。
-
現在の状況: Live
現時点の各消費電力量を1秒おきに取得しグラフに表示します。 -
時間変動 : Day
指定した日にちの各消費電力量を1時間単位でグラフに表示します。
日にちの指定は、ガジェット右上の日付指定ボックスより行って下さい。 -
日変動 : Month
指定した月の各消費電力量を1日単位で表示します。
月の指定は、ガジェット右上の月指定ボックスより行って下さい。 -
月変動 : Year
指定した年の各消費電力量を1ヶ月単位に表示します。
年の指定はガジェット右上のセレクトボックスで行って下さい。 -
現在、曜日変動は参照することができません。
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消費電力を抑えるためには、以下のような方法が推奨されます。
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帯域使用量が少ないポートのリンク速度を落とす
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スケジュール実行機能を使って、深夜や休日に使用していないポートをシャットダウンしたり、PoE 給電を停止する
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5.4. 観測データのバックアップ・クリア・エクスポート
観測データのバックアップ・クリア・エクスポートは、 [管理] - [保守] - [統計情報の管理] より行います。
(クリア・エクスポートは [ダッシュボード] の各ガジェットの メニューボタン ( ) から行うこともできます)
統計情報の管理画面を以下に示します。
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統計情報の管理画面 (トップページ)
5.4.1. 観測データのバックアップ設定
観測データのバックアップ設定は、 [トップページ] - [集計データのバックアップ設定] より行います。
[設定] ボタン押下後に表示される画面を以下に示します。
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観測データのバックアップ設定画面
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バックアップを有効化する集計データのチェックボックスにチェックを入れ、 [確認] ボタンを押下してください。
押下後、以下の画面が表示されます。 -
本設定をキャンセルする場合は、各画面の [戻る] ボタンを押下してください。
5.4.2. 観測データのクリア
観測データのクリアは、 [トップページ] - [集計データのクリア] より行います。
( [ダッシュボード] の各ガジェットの メニューボタン ( ) から行うこともできます)
[進む] ボタン押下後に表示される画面を以下に示します。
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観測データのクリア画面
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クリアする集計データをセレクトボックスから選択し、 [確認] ボタンを押下してください。
押下後、以下の画面が表示されます。 -
本操作をキャンセルする場合は、各画面の [戻る] ボタンを押下してください。
5.4.3. 観測データのエクスポート
観測データのエクスポートは、 統計情報の管理の [トップページ] - [集計データのエクスポート] より行います。
( [ダッシュボード] の各ガジェットの メニューボタン ( ) から行うこともできます)
[進む] ボタン押下後に表示される画面を以下に示します。
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観測データのエクスポート画面
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Web GUI アクセスしている PC にエクスポートする観測データをセレクトボックスから選択し、エクスポートする観測データの期間を選択します。
選択後、 [実行] ボタンを押下すると、zip ファイルがダウンロードされます。 -
本操作をキャンセルする場合は、 [戻る] ボタンを押下してください。
6. 注意事項
特になし
7. 関連文書
特になし